美肌菌とは

「菌」と聞くと、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

ここでは、美肌菌と呼ばれる表皮ブドウ球菌をはじめ、菌のはたらきについて紹介します。

美肌菌を味方につけるには、まず相手を知るところから!

伊藤麻利奈さん
伊藤麻利奈さん
肌フローラスペシャリスト
伊藤麻利奈

肌フローラの書籍を出版している薬剤師。調剤併設ドラッグストアにて4年間勤務し、現在はイギリス在住。テレビなどのメディア対応、観光大使などを経験。医学的根拠に基づいた正しい情報発信をモットーにしている。

皮膚常在菌を味方にする

私たちの生命活動において、菌はとても大切な役割を果たしていて、私たちの身体を守ってくれているのです。皮膚の上には数億個の菌がいると言われていて、肌のバリアや肌の保湿成分を作っています。

「そんなこと聞いても、やっぱり菌って嫌かも…」と抵抗のある方に是非知っていただきたいのですが、菌は、とても身近で生活を豊かにしてくれている存在なのです。

例えば、身の回りに存在している例として、納豆やチーズなどの発酵食品、ワインや日本酒などのお酒が挙げられます。いずれも菌の発酵の作用を活用して作られています。

薬学の分野でも「プロバイオティクス(腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物たち)」や「プレバイオティクス(大腸の腸内フローラを助けるはたらきをする食品成分たち)」を取り入れ、菌を活用した治療法や医薬品・食品開発が注目されています。

これらの研究は、世界中の研究機関や大学で進められており、菌の活用は注目度の高い、興味深い分野であると言えると思います。

このように菌とは一概に悪いものではなく、人間が生きていく上でとても重要な役割を担っています。菌は私たちの味方だ、ということがお分かりいただけたのではないかと思います。

美肌菌が元気な肌は
弱酸性

みなさんの考える健康的な肌とは、どんな肌ですか?

ニキビやかゆみ・赤みなどのトラブルがない肌、しっとりとシワがないうるおった肌、つやつやしている肌など…これらは誰もが憧れる肌ですね。

最近の研究で、このような「理想」とされる肌は、肌の表面が弱酸性に保たれることで作られるということがわかってきました。

では、弱酸性とは何かを理解するために、酸性とアルカリ性について少しお話ししようと思います。

酸性、アルカリ性という言葉は、きっと学校の理科や化学の授業などで聞いたことがありますよね。

弱酸性というのは文字通り、「弱い酸性」のことです。身近にある代表的な酸性のイメージとして、レモンや酢、胃酸など、酸っぱいものが挙げられると思います。これらは強酸性と呼ばれ、「強い酸性」です。私たちの肌は、レモンや酢よりも弱い、弱酸性に保たれるような仕組みになっています。数字で表すとpH4.5〜6.0になるように維持されています。(数字が小さいほど強い酸、pH7.0が中性、数字が大きいほど強いアルカリ性です。)

健康的な理想の肌は、弱い酸性である「弱酸性」の状態に保たれており、肌の上に酸のバリアを作っています。弱酸性の状態が保たれることで、善玉菌が増え、保湿成分がしっかり分泌され、トラブルの少ない肌ができあがると考えられています。

一方、悪玉菌たちはアルカリ性の環境で活発になり、炎症やかゆみを引き起こすといわれています。弱酸性のバリアがある状態だと、肌に悪さをする悪玉菌たちはなかなか増えることができず、活動もほとんどしません。

弱酸性のバリアがある状態が、肌にとって最適であるということはお分かりいただけたでしょうか?

どうしたら肌は
弱酸性になる?

肌の酸性度は、季節や気温など周りの環境の変化にあわせて多少変動するものの、常に弱酸性を保とうと頑張っています。

では、何が肌を弱酸性に保ち、バリアを作っているのでしょうか?

その答えは、肌の上にいる常在菌たちです!

常在菌は、汗や皮脂をエサにして活動しています。そのエサを食べて、有機酸や脂肪酸などの酸や保湿成分であるグリセリンを分泌しています。この常在菌たちが分泌している酸が弱酸性の状態を維持しています。

この弱酸性のバリアのおかげで、炎症やかゆみを引き起こす悪玉菌の侵入を防ぐことができているのです。

なので、常在菌の中の善玉菌を元気にすれば、弱酸性が保たれるということです。

肌に大きな影響を与える
美肌菌たち

肌の断面図
青木 皐

青木 皐
菌の研究家
青木 皐

肌には10種類ほどの菌がいますが、全身にまんべんなくいて、肌をしっとりさせてくれるのが、美肌菌とも呼ばれる表皮ブドウ球菌。この子が肌で増えてくれないと、悪玉菌が暴れて、乾燥や肌トラブルを招きます。

表皮ブドウ球菌 引用元:ヤクルト中央研究所 https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4213/ 

最近の研究で、美肌を作り出しているのは、ある「菌」であるという結果が判明してきました。その「菌」こそが、この表皮ブドウ球菌です。

肌を弱酸性に保ち、バリアを作り、悪玉菌が悪さをすることを防ぎます。皮脂や汗をエサにして、保湿成分であるグリセリンを作ったり、有機酸や脂肪酸を分泌して肌を弱酸性にしたりと大活躍します。

ただ、他の菌と同じく、お湯や石鹸で簡単に洗い流されてしまうので、肌の上に残してあげる工夫が必要になります。

表皮ブドウ球菌は、角質層と呼ばれる肌の一番表面の部分に棲んでいます。

角質層が整っていると、肌がなめらかで、ツヤッとした印象に見えると言われています。表皮ブドウ球菌は、整っている角質層で増え、酸や保湿成分を分泌してくれる肌にとっても嬉しい常在菌です。

アクネ菌 引用元:ヤクルト中央研究所 https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4234/

日和見菌とは、いい菌にも悪い菌にもなる、八方美人の菌のこと。

増殖したり、善玉菌が減ると、普段は大人しいはずの日和見菌はニキビの原因になったりと、攻撃をしてきます。

どういうことかというと、普段、弱酸性の状態では、酸を分泌して表皮ブドウ球菌と同じく、肌を弱酸性に保つ手伝いをしています。

しかし、肌の表面が弱酸性でなくなったときや皮脂が過剰に分泌されたときなどに、悪さを始めます。

善玉菌と悪玉菌のバランスに左右され、良い方向にはたらく時もあれば悪い方向にはたらく時もある菌です。

酸素に触れない状態、例えば、詰まった毛穴の中などに取り残されて大量に増殖してしまうと、炎症を引き起こす成分を分泌し、ニキビやマラセチア毛包炎を引き起こしてしまうのです。

黄色ブドウ球菌 引用元:札幌市 https://www.city.sapporo.jp/eiken/infect/msp/msp/aureus.html

悪玉菌代表である黄色(おうしょく)ブドウ球菌、レンサ球菌。

これも、常に皮膚の上に存在する菌です。普段は悪さをすることはないのですが、傷口の中に入ったり、身体の免疫力が下がったりしている時に身体の中に入ると、増殖して悪さをすることで知られています。肌で増殖すると、炎症(赤みやかゆみ)、化膿を引き起こします。

黄色ブドウ球菌が増えた食材を食べると食中毒を起こしたり、病院の中で免疫力ない入院患者さんたちに感染したりします。

レンサ球菌も咽頭炎や肺炎を引き起こすことがあり、医療の観点でも、ときどき大きな問題を引き起こす菌です。

ただし、免疫がしっかりしている人に対しては悪さをすることはない菌です。

美肌菌活化粧品に
よく含まれている成分

ここまで美肌菌とは何か、逆に美肌菌の敵はどんな菌なのかをお話してきたので、ここからは実践編!

「美肌菌活」「菌トレ」を重視している化粧品は、どんな成分が含まれているのでしょうか。

ぜひチェックしてみましょう。

青木 皐
青木 皐
菌の研究家
青木 皐

菌の世界は、増殖とバランスが大事です。いい菌だけを増やそうと思っても、それは無理で、悪い菌も含めて全体の量を増やさなくてはダメ。
そして、菌は先に増えたもの勝ち。後手に回った菌は、それ以上増えることができないので、いい菌が最初に増えれば、悪い菌の増殖は抑えられます。
健康的な肌なら、黄色ブドウ球菌がのさばるスキを与えませんが、たとえばメイクしっぱなしで美肌菌が減ってしまうと、勢力は大逆転して黄色ブドウ球菌が元気になって、カサカサ肌になってしまいます。

菌子ちゃんの美人法
Profile

医学博士、(株)コントロール・ラボ 相談役。昆虫・微生物学の研究に従事後、1990年に株式会社コントロール・ラボを設立。
「人体常在菌のはなし 美人は菌でつくられる」(集英社新書)「菌子ちゃんの美人法」(WAVE出版)など、人体常在菌に関する本を多数出版。

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紹介
名前
肌フローラスペシャリスト
伊藤 麻利奈
名前
看護師
美容オタクライター
RIKO
名前
美肌菌トレ基礎化粧品
開発者
M・S